ソロ活動19年目を迎える、細坪基佳さんの初のベストアルバムです。けど、ベストアルバムって選曲が難しいですよね、万人を納得させるのはなかなかね。まず、自身のハーベストムーンレーベルへ移ってからの曲が10曲。ジャケットなどには特にリマスターされたことは触れられていないけど、オリジナルからはかなり音質が改善していて、オーディオ的にもうれしい。ほぼ順当な選曲ではあると思うけど、やはり少し物足りない気がする。選から漏れた中にもいい曲がたくさんあるので、せっかくなら、2枚組くらいのボリュームで出してほしかったと思います。そして、新録音されたものが5曲。うち4曲がセルフカバーされたもの。様々なアーティストがセルフカバーに挑戦しているけど、私はあまり好きになれないんです。まず、オリジナルにこちらの耳が馴染み、これまでに何度も聞き込んでいるので、どうしても違和感を感じてしまうから。さらに、演奏する側も「以前のバージョンよりいいものを聞かせよう!」と力むためか、編曲や歌が大げさになりがちで、空回りしている場合が多いように思うんです。このCDをたくさん聞いていないので、結論を出すのが早急かもしれないけど、今のところはやはり原曲の方に軍配が上がります。