この街の中、ただ一人きり 午前二時、部屋の明かりを落とす すれ違っていく車や自転車が、僕を背景だって認識してて 追い抜いていった、少年や女子高生は、僕を気にも止めず隣を流れていく 並木通りに場違いな歌声に、誰が足を止めるだろ 目の前を大型のバスが、僕に気づきもせず大勢を運んでいく 時間が過去にのまれる 台風に、蝉に、花火に、思い出は僕の心を置き去り、夏が終わっていく 場違いな午前二時に、眠れなくて、部屋に浮かべた あの時、言えなかった言葉 振り返る事。最近、そればかりだ 目を閉じるその前に、未来に何を思えばいい? 時間が過去にのまれる 白い息に、雪に、ケーキに、思い出は僕の心を置き去り、冬が過ぎていく 場違いな午前二時に、眠れなくて、部屋に浮かべた あの時、言えなかった言葉 あの日、舞い散る桜の花びらは、ひとつ、ひとつ散りつもり ある日、ススキが揺れる陰で強く風に吹かれて消え去った 眠りに落ちていく。意識が僕を追い越していく 忘れないようにと、つかんだ紙には、君の名前を書いた