Lily of the Valley whispering light
遠つ空へ 祈りを馳す
名を呼ぶことも 叶羽ねど
それでもここに惑ふ
君のなき 遥菜の暁音
風はそよと 窓を叩くのさ
昨日と変はらぬ 空の色だよ
それでも胸は ざわめくものさ
君影草は うつむきし
朝露に揺るる ひそけき光や
契りし言の葉 いまはただ
掠める風に 乱れ零る
Lily of the Valley whispering light
遠つ空へ 祈りを馳す
名を呼ぶことも 叶羽ねど
それでもここに 咲き染む
「さよなら」と言ひし
その聲ぞ いと幽けく
こだましむのさ 夜の静寂に
そと隠れて 夢のあわひに
消ゆるるらし
浮世の果て ひとり残りて
還る空を 眺める影
光に焦がれ 風に問へど
叶はぬ夢の 彼方なる
遠き灯よ
かそけく響くね
寄り添ふがごとき
その優しさな
見えぬ手にて
そと触るる
心の奥の 残る灯よ
Lily of the Valley whispering light
願ひの雫
降りそそぐんさ
想ひはそよと 音もなく
それでもここに 揺れとどむ
風の舟に 揺れながら
声なき想ひ 彼方まで
それでもここで 咲き染む
星の舟に
そと乗せてさ 君へ届ける
花の聲な 明日へ続く
その先に また巡り逢ふかな
Lily of the Valley whispering light
風の舟に 揺れながら
過ぎし時の 残る灯
それでもそっと 咲きぬるぞ