はるのよいにまひしかぜ
きみをおもへばなみだこぼる
はなのかげにかくれしこえ
とおきひびのゆめをいざなふ
こいしや、こいしや、おぼろにかすみ
きみがえみをわすれじまま
おぼろづきよ、てらさぬや
あのよのゆめ、きえぬがために
こころわたり、かのきしへ
きみがもとへ、つれもどさん
あきのよながにそよぐすず
ふたりすごせしひびもちりぬ
くもまにきゆるあのひ
とどかぬこいのこえのみのこす
こいしや、こいしや、あきのしもよに
きみがなよべどかぜにきゆ
おぼろづきよ、かくさぬや
きみがかげをおひしこころは
ほしのごとくちりぬれど
きえぬおもひ、むねをこがす
いつかまた、はるのかぜが
きみをつれてもどるやあらむ
ゆめかうつつか、ゆらぐつき
ねがはくば、このおもひだきしめて
おぼろづきよ、またあはむ
あのよのゆめ、かれぬままに
こころのひをかかへつつ
きみがもとへ、はねをひろげむ