[00:03.96]
[02:30.82]生命は
[02:33.52]自分自身で完結できないように
[02:39.14]つくられているらしい
[02:43.03]
[02:46.20]花も
[02:48.21]めしべとおしべが揃っているだけでは
[02:51.74]不充分で
[02:54.03]虫や風が訪れて
[02:57.13]めしべとおしべを仲立ちする
[03:01.27]
[03:17.20]生命はすべて
[03:20.16]そのなかに欠如を抱き
[03:24.22]それを他者から満たしてもらうのだ
[03:28.93]
[03:31.57]世界は多分
[03:35.44]他者の総和
[03:37.79]
[03:46.59]しかし
[03:48.79]互いに
[03:51.13]欠如を満たすなどとは
[03:54.46]知りもせず
[03:56.91]知らされもせず
[04:00.76]
[04:16.86]ばらまかれている者同士
[04:20.60]無関心でいられる間柄
[04:26.10]ときに,うとましく思えることさも許されている間柄
[04:37.11]そのように
[04:38.96]世界がゆるやかに構成されているのは
[04:42.90]なぜ?
[04:43.84]
[05:17.22]花が咲いている
[05:20.00]すぐ近くまで
[05:23.78]虻の姿をした他者が
[05:26.96]光りをまとって飛んできている
[05:30.46]
[05:32.21]私も あるとき
[05:34.84]誰かのための虻だったろう
[05:37.68]
[05:39.33]あなたも あるとき
[05:42.09]私のための風だったかもしれない
[05:48.21]