[00:16.485]切れかけた街灯に照らされて 
[00:18.996]明滅繰り返す人々の影
[00:21.350]ゴムの匂いと空気の湿り気 
[00:24.203]静寂と呼ぶにははなはだ多弁
[00:26.954]したがって 定まらぬ視点 
[00:29.256]星を滑って 東北に流転
[00:31.960]蛾が群がって どうせ無駄だって 
[00:34.612]夢に焼け落ちて あとは何もねえ
[00:38.829]行き先のない乗車券 此岸の終わりの夕景
[00:43.981]地球の裏の荒野へ 早く連れてってくれ
[00:49.585]夏の庭に犬の骨 死屍累々の日付 
[00:54.740]それを踏んづけて明日へ 
[00:57.440]気管支炎の音符で
[01:00.240]血を吐くまでは歌え 放射状 
[01:03.693]北の山背 そこに咲いた花でさえ 冒涜は許されて
[01:20.858]僕は舌打ちをしたこの街へ 
[01:23.313]いや舌打ちしたのは街の方で
[01:25.913]砂場に子供らの神話体系 
[01:28.617]その一粒ごと神は宿って
[01:31.321]絡まって 切れぬ社会性 
[01:33.576]みだりに越えて 唾を吐き掛け
[01:36.277]我が塞がって 来世疑って 
[01:38.889]無様に燃えて あとは何もねえ
[01:43.282]獣と人の分岐点 命にたかる銀蝿
[01:48.338]**は霊地の巡礼 死ぬには早い降雪
[01:53.709]国道沿いのラブホテル トワイライト純潔で 
[01:58.990]言葉足らずの夜明け 吃音的な世の果て
[02:04.454]それを飲み込んでは咽せる 
[02:07.107]結露に滴るカーテン 命が今焼け落ちて 
[02:12.463]車道に冬の銀河系
[02:25.346]トラックの荷台に跨がって 
[02:27.745]歳月が通り過ぎた
[02:30.337]交差点で横転して 血を流していた
[02:37.168]窓越しにそれを見ていたら 
[02:41.678]命がじりじりと焦げる音を聞いた
[02:47.665]スピードと摩擦 火花を散らして
[02:52.993]スピードと摩擦 内臓を焦がして
[02:59.697]体内に発車の汽笛 
[03:02.249]血液は逃避の路線 旅立っては近づいて 
[03:07.541]離れてくのはどうして
[03:10.341]苛立ちは尚叫んで ひび割れた今日の風景 
[03:15.548]地表にうがつささくれ 二月は無垢な難破船
[03:21.138]スピードと摩擦 内臓を焦がして